日本男児を育てるブログ

米国留学や海外での育児を経た、小学生・幼児の男三兄弟の母。子育てを通じて見えてくる日本社会や、絵本のことなど、日々感じたことを記録します。

古今の名文に親しむおすすめ教材 〜陰山英男「音読プリント」(小学生・幼児向け)

音楽や絵画においても一流のもの触れることがその人の人生を豊かにしてくれるように、感性豊かで吸収力のある幼少期に古今の名文に親しむことは、子供の情緒を育み、後に子供自らが知的興味を広げていくきっかけとして、貴重な財産になるのではないか・・・

小学校低学年でどのような家庭学習を行うべきか悩み、今、我が家で毎日取り組んでいるもののひとつが「音読プリント」です。百マス計算で有名な陰山英男先生が編集され、五十余りの詩や文章が掲載されています。

良いと感じる点は、

  • 詩、俳句、近代文学をはじめ、古文や漢詩・漢文といった幅広い分野から名文が厳選されている
  • 声に出した時に楽しめるリズム感のある文章が選ばれ、子供も親しみやすい
  • 文字が大きく読みやすく、一作品1-2ページという取り組みやすいページ構成になっている

などです。我が家での取り組み方、教科書を音読することとの違い、その他に音読・素読・暗唱のための本や教材について書いてみたいと思います。

陰山メソッド徹底反復「音読プリント」 (教育技術MOOK 陰山メソッド)

陰山メソッド徹底反復「音読プリント」 (教育技術MOOK 陰山メソッド)

 

 

 

リズムの良い文章を音読するのは楽しい! 〜朝の日課

祇園精舎の鐘の声・・・」と高校時代に暗誦された方は多いと思いますが、漢文調の独特のリズムは声に出して読むと心地良いものです。

我が家では長男が小学校に出かける前に、短い音読時間を設けています。

親が一行読み、子供が後に続くという素読形式で行っていると、次男も横で真似し始め、その内に一歳の三男までもが大声で何やら楽しそうに叫んで大合唱になります。

楽しいって大事なこと?」と書いてはみたものの、何事も「好きこそ物の上手なれ」。いかに興味を持って楽しく前向きに取り組ませるかは親の腕の見せどころで、私などはいつも四苦八苦しています。

 

「音読プリント」の良いところは、初級・中級・上級と分かれていて、無理のないレベルで好きな作品から取り組めること。そして、親しみやすい詩から始まるので、子供もこれは面白いなとこのドリルに対して気持ちのハードルが下がること。(他にも良さそうな七田式の暗唱の導入教材「達人編」が、漢詩から始まっているのと比較して)

最初の方にある、山村暮鳥「雲」も子供達のお気に入りで、呼びかけるような調子で暗誦するのが楽しいようです。

おうい雲よ

ゆうゆうと

ばかにのんきそうじゃないか

どこまでゆくんだ

ずっと磐城平のほうまでゆくんか

 


毎回「お口の準備運動」として、北原白秋の「五十音」の詩を読んだ後、どれか一つの文章を10分間読み続ける、というのが指定された方法です。我が家ではまだ10分も持たず、準備運動の後、一つの文章を数回読む形で、一日5分程度のみ取り組んでいますが、それでも最初はつっかえつっかえだったものがスラスラと読めるようになり、いつのまにか暗誦しています。

 

音読プリントの効果と、教科書の音読との違い 〜古典を含む「名文」がなぜ大切か

陰山先生の「音読プリント」には、このドリルに取り組む効果として以下のようなことが記されています。

  • 音読は脳を最も活性化させる
  • 美しい表現や豊富な語彙が自然に習得できる
  • 声が朗々としてくると、心まで強くしっかりしてくる

掲載作品は以下の通り、詩や小説の一部、俳句や古文、漢詩、漢文などがあります。

 

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このような作品の選択を見ると、明記されてはいないものの、「日本文化の理解の重要性」「古典への造詣があってこそ、真の国語力や思考力・情緒・教養といった、様々な分野で学び活躍していく際の基礎が培われる」といった考えもあって作られた教材ではないかと、想像されます。

 

教科書の音読は長男の小学校をはじめ、多くの学校で重視されているようです。ただし違いは、国語教科書は現代作家の筆に成る随筆や物語、詩を中心に構成されていること。さらに、「お粥のような」という評もあるように、子供は難しいものはわからないという前提で、易しく噛み砕いたような文章が中心になっていて、私が見ても物足りなく、そして面白みが欠けるように思われる部分があるのはたしかです。 陰山先生のように方が、使いやすく手に取りやすい価格でこのような教材を世に出してくださるのは、ありがたく感じます。

「声に出して読みたい日本語」やNHKEテレにほんごであそぼ」の監修で有名な齋藤孝先生なども、素読の重要性を説かれています。学校で教わるか、試験に出るかということに関わらず、ぜひこのような作品に小さい頃から親しめると良さそうです。

 

音読、素読、暗唱の教材例

以下のような教材も、今後機会があればぜひ取り組んでみたいと思っています。

 

素読と言えば論語

こども論語塾 (単行本)

こども論語塾 (単行本)

 
こども論語塾―親子で楽しむ

こども論語塾―親子で楽しむ

 
子供と声を出して読みたい『論語』百章

子供と声を出して読みたい『論語』百章

 

七田教材:

七田式の教材では暗唱文集が複数出ており、「達人編」が入門となっています。作品の選び方は「音読プリント」と似ているように感じます。子供の声で読み上げられたCDも用いながら、一作品ずつ暗唱していくことで級が上がっていき、最後に百人一首を暗唱することになっています。教室に通わなくても教材だけ購入することが可能です。

なお、「音読プリント」は幼児向けのドリルも別途市販されており、そちらも干支や言葉遊びなど役立つものや面白いものがありますが、幼児であっても小学生向けのものに十分取り組めるのではないかと思います。

我が家でも兄弟揃って楽しみながら音読を継続していければと思います。