日本男児を育てるブログ

米国留学や海外での育児を経た、小学生・幼児の男三兄弟の母。子育てを通じて見えてくる日本社会や、絵本のことなど、日々感じたことを記録します。

小学校入学 〜楽しいって大事なこと?

今月初めに長男の小学校入学式がありました。歓迎の気持ちを感じるあたたかい式でしたが、初めから多くの疑問も感じました。

端的に言えば、

  • 子供への迎合
  • 理念の不在
  • 伝統文化の軽視

です。そして、式の一日を通じて伝わってきたメッセージは「楽しさ」。

学校だけに任せていては、日本の将来を担う男児達が育つとは残念ながら思えませんでした。疑問に感じた点を挙げてみます。

 

幼稚さ

新入生の入退場の音楽は、トトロの「さんぽ」。二年生全員による迎える言葉は「もりのくまさん」の替え歌で、楽しい小学校・美味しい給食・楽しい行事の紹介。

幼稚園ではないのだから・・・と思うのは私だけでしょうか?

また、式当日に学校の一括購入として配られたノート類は、すべてジャポニカ学習帳ドラえもん柄。家でそれを見た幼稚園生の弟が「え、これがお兄ちゃんの?小学生なのに」と言ったのは至極真っ当な感想と思います。

 

壇を使わない式

体育館の前方に新入生が後ろ向きに座り、在校生と向き合う形の式が最近は多いのでしょうか。先生も来賓も壇上には上がらず、脇にいらっしゃいます。

せっかく国歌斉唱するのに、新入生は国旗に背中を向けたまま。在校生や職員、保護者も、横にいる指揮者を見ながら君が代を歌います。例えば国技館でも皆日の丸を向いて歌うのはごく普通のことかと思いますが、この形に違和感なく育ってしまうことは気になります。

壇上への上がり方や、そこでの挨拶の仕方など常識的なことについても、子供は見る経験のないまま育つことにやや不安に感じました。

 

校長や来賓の挨拶

校長先生と、教育委員会の方からお言葉がありました。メッセージは、交通安全と、挨拶をすることの大切さという二点のみ。PTA会長からの祝辞を含め、これからを担う子供達への期待や教育に対する理念など感じられず、予想はしていたもののがっかり。

 

園からの来賓と祝電

幼稚園や保育園の代表者十名ほどが来賓として参加されていました。来賓の殆どが園関係者という状況です。一人ひとりその場で挨拶をされていました。恐らく、地元の二、三の幼稚園から参列されていたという一昔前の習慣から、徐々に増えていったのかなと想像します。

また、祝電は二十はあるかと思える園名を全て読み上げていました。共働き家庭が増えているので、新入生の出身園は幼稚園の他、保育園やこども園の数が非常に多くなっているのだと思います。一方、それ以外はただの一通も、市長や地元の関係者や議員からの祝電は内容はおろか、名前さえ読み上げずに体育館の目立たない場所に貼り出して、ほぼ誰も見ていないだろうという状況でした。

良く知っている先生のお顔が見られたり、出身園の名前を聞いたりすることで新入生を安心させようという配慮かと思いますが、これもいかがなものかと思いました。

 

私としては、小学校を園生活の延長として捉えるのではなく、大人の社会との最初の接点というのは言い過ぎとしても、しっかり自立した社会の一員として育っていくためのの入り口として入学式はあるべきではないかと思います。そのような中で、如何に小学校が国や地域に支えられているかを、理解はできないかもしれないけれど伝えていくことに意義があるのではないかと思いました。

 

「楽しさ」の強調

そして式全体から伝わってきたのは、「学校は楽しい」というメッセージ。校長挨拶も含め、「楽しく過ごす」ということがとにかく重要視されていました。在校生からの歓迎の言葉や出し物も、楽しさを強調。

楽しいという気持ちがあってこそ学びはあるし、まずは一年生が楽しく通うのが大事ということを差し引いても、それだけではないだろうと思います。

また、この日に配布された教科書にも「楽しい」という言葉が多いのが印象的でした。

  • 国語教科書の導入部、動物たちのイラストで「みんな なかよし たのしいね」
  • 「たのしい せいかつ」「たのしいな おもしろいな ずがこうさく」という教科書名
  • 道徳教科書の導入部、「ようこそいちねんせい たのしいことがいっぱいだよ!」

小学生を持つ親御さんは、このようなことを感じられたことはないでしょうか?教科書の表紙や中身も、昔と比べて可愛らしいイラスト調のものが多くなっています。少し子供に迎合的過ぎはしないでしょうか。

 

家庭教育の重要性

学校という集団の場ではじめて学べることはたくさんあると思います。また、世界を見渡して広い視点で見れば、ありがたい教育環境だと思います。一方、芯のある人間を育てるには家庭教育が重要だと改めて思わされる小学校初日でした。

手探りではありますが、我が家なりの子育てを頑張って行きたいと思います。